西野の伊藤・三味線教授宅で
ひとり芝居の愚安亭遊佐さんが特訓

 下北半島の漁民の姿をテーマにしたひとり芝居を続け、昨年代表作の「人生一発勝負」で文化庁芸術祭演劇部門の優秀賞を受けた愚安亭遊佐さん(新潟県在住)が、三味線教授の伊藤千恵子さん(西野在住)から6月26日、27日の2日にわたって特訓を受けた。

     
「人生一発勝負」を演じる愚安亭遊佐さん(ドラマシアターども=江別市=のパンフレットより)
 愚安亭さんは青森県むつ市関根浜の漁師の息子として生まれ、劇団主宰を経て、1979年から自分の母親の一生を演じるひとり芝居「人生一発勝負」を始め、その後も漁村の生活やそこに突如として現れた原子力船母港計画、核燃料サイクル施設計画に揺れ動く漁民の姿などを演じてきた。
 「人生一発勝負」は北海道の苫前町の網元の娘だった母親が、両親が死んだために幼い弟とともに青森県の親戚に身を寄せ、漁家に嫁ぎ、漁師の妻、母親として生きていく様を演じていく。その中に出てくるのが三味線の弾き語りだ。
 芸術祭でひとり芝居では最高といわれる賞をとるほど愚安亭さんの芸は高レベルだが、三味線演奏に関してはまったくの素人。青森県で津軽三味線の師匠さんの何人かに教えを請うてはいるが、見て聴いて覚えよという方針で、なかなか上達できなかったという。

 そこで札幌西区西野在住でHOUGAKU古今座を主宰し、三味線の教授をしている伊藤さんの門をたたいた。伊藤さんは東京芸大邦楽科出身。東京で邦楽の仕事をした後、故郷の北海道に帰り、邦楽グループの主宰と三味線教授をしている。
 欠点を指摘して練習の目標をしっかり定める伊藤さんの教え方は、50歳を過ぎた愚安亭さんにぴったり。これまでも教授を受けているが、今回はドラマシアターども(江別市)での公演の足で訪れ、2日間みっちり特訓し、今後の練習のテーマも見えてきた。

 この特訓が実を結べば「人生一発勝負」は、その演技、話術だけでなく、三味線の演奏でも人々を感動の渦に巻き込んでくれるにちがいない。